• 公開:2022年06月26日
  • 更新:2022年06月30日

meet ▶[グレイスグループ]:はたらく女性に「卵子凍結」の選択肢を

株式会社グレイスグループ

株式会社グレイスグループ
  • ヘルスケア
  • 少子高齢化
  • 課題解決No.5「ジェンダー平等を実現しよう」
  • 事業提携
  • プロジェクト・イベント型(期間限定)での協業
  • 新市場の模索
  • スタートアップ

グレイスグループ改.jpg


https://auba.eiicon.net/projects/31689 

#ヘルスケア #少子高齢化 #課題解決No.5「ジェンダー平等を実現しよう」 #病院 #臨床診断・検査

――2021年、日本の出生数は過去最少の81万人となり、何十年にもわたって少子化対策を続けてきた日本にとって、惨憺たる結果となった。さらに踏み込んだ少子化対策が求められるなか、ひとつのソリューションに注目が集まっている。「卵子凍結」である。福利厚生の一環として導入を検討する企業が増えているなど、徐々に認知が高まりつつある「卵子凍結」だが、この領域にフォーカスして事業創出を進める企業がある。2020年に誕生した株式会社グレイスグループだ。

「eiicon meetup」登壇企業に話を聞くインタビュー企画『meet startups!!』。今回は、グレイスグループ 代表の勝見祐幸 氏にインタビューを実施。創業の経緯や事業の進捗、今後のビジョンを聞いた。


▲株式会社グレイスグループ 代表取締役CEO 勝見祐幸 氏

自らの経験を通じ、「不妊治療」に課題感を持っていた

――まず、「卵子凍結」に注目をされた理由についてお聞かせください。

勝見氏: 友人たちと集まって、ご飯を食べているときに、たまたま卵子凍結の話題になったのです。実は私自身、約7年間の不妊治療をへて、クリニックも3回変え、ようやく子どもを授かったという経験を持っています。不妊治療が非常に大変だということは、身をもって知っています。結果的に3人の娘を授かることができましたが、一方で課題も多いと感じました。

例えば、何回も体外受精を繰り返して、精神的にも肉体的にも疲弊してしまい、結果的に仕事の第一線から外れたり、不妊治療が原因で離婚に至ってしまったりするといった課題です。

――もともと「不妊治療」に課題感をお持ちだったのですね。

勝見氏: はい。ただ私自身、医師ではないので、自分が何かできるとは思っていませんでした。しかし、友人との会話から、卵子凍結がアメリカの大企業で福利厚生として導入され、会社が社員のために金銭的な支援をしていることを知ったのです。

その話を聞いて、アメリカの大企業が有用性と安全性を認めて、卵子凍結を導入しているのに、なぜ日本では聞いたこともないのだろうと疑問を持ちました。そこで、産婦人科医の知人である中林先生(中林稔氏)に聞いてみることに。すると、卵子凍結は2014年以降に世界的に普及しはじめたもので、まだ十分な症例数も論文も出ていないというんです。したがって、日本産婦人科学会としては、否定はしないけれども推奨もしていないのだと…。

――なるほど。

勝見氏: 自分でも色々と調べてみたところ、驚くべき事実がたくさん分かってきました。出生数81万人の日本で、実は年間46万件もの体外受精が行われているんです。アメリカでさえ、33万件だというのに。さらに驚くべきは、アメリカでは体外受精の成功率が約25%。それが日本だと、約13%しかない。惨憺たる成功率です。

この背景にある理由はシンプルに「卵子の年齢」です。アメリカだと、体外受精する平均年齢が34歳ですが、日本では40歳。女性の妊娠する力は、30代前半で急激に落ちるので、成功率が下がるのは当然ですね。これが残念ながら、日本の生殖医療の現実なんです。これらの現実を知って、本当にいても立ってもいられない気持ちになり、立ち上げたのがグレイスグループです。


他社とのパートナーシップで誕生した、卵子凍結保管サービス『Grace Bank』

――卵子年齢が低いうちに採卵し凍結しておくことで、将来の出産確率を高めるということですね。具体的に、どのようなサービスを展開されているのですか。

勝見氏: 『Grace Bank(グレイスバンク)』という卵子凍結保管サービスを提供しています。

――安全性の高い卵子凍結保管体制を、0→1で構築するのは難しそうです。どのように整備されたのですか。

勝見氏: 自社ですべて0→1で立ち上げるよりも、先行して技術をお持ちの企業とパートナーシップを組んだほうがいいだろうと考えました。そこで注目したのが、臍帯血バンクの運営で実績を持つ株式会社ステムセル研究所。代表の清水さん(清水崇文氏)とはSNSでつながっていたので、「一緒に組めませんか」と提案したところ、興味を持っていただき、資本業務提携を結ぶことができました。

臍帯血は赤ちゃんのへその緒のことなので産婦人科の領域。ステムセル研究所は、全国の産婦人科とネットワークを保有しておられます。また、20年以上にわたり臍帯血の保管で無事故という実績もお持ちです。

卵子の保管も臍帯血と同様に、液体窒素の入ったアルミタンクで行います。私たちは現在、ステムセル研究所の保管施設の一部を使って卵子を保管しています。各クリニックの中で保管するよりも、まとめて1カ所で保管するほうが効率化できますし、安全性も高められる。コストも下げることができます。

――クレディセゾンやサイバーエージェント、湘南美容クリニックとも一緒に取り組まれていますが、それぞれ提携の意図は?

勝見氏: クレディセゾンさんとは、若い人が使いやすくするためのファイナンス商品をつくりました。というのも、コストを下げたといっても卵子凍結は高額。ですから、一括で支払うのではなく分割で支払えるような仕組みを整えました。サイバーエージェントさんとは、若い人たちに対してどう発信していくかを一緒に検討していく予定です。また、湘南美容グループさんについては、同グループの120万人ものお客さまに対して、卵子凍結サービスを紹介していく狙いを持った提携です。

――すでに各方面で盤石なアライアンス体制を構築されていますが、今後は、どのようなパートナーと事業を拡大していきたいですか。

勝見氏: 女性の活躍推進に興味をお持ちの企業なら、どんな企業・団体でも組みたいですね。日本では昨年5月に、メルカリさんが自社の社員向けに、卵子凍結支援制度を開始されました。最近になって、少しずつ興味を持つ企業が増えてきましたが、まだそれほど多くありません。そういう意味では、規模を問わず、どんな企業でも理解を示してほしいです。

――最後に、これからの展望をお聞かせください。

勝見氏: 今年の4月、卵子凍結にフォーカスしたクリニック「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」を開業しました。このクリニックでは、オンライン診療なども取り入れ、お客さま視点でサービスを改善していく予定です。まずはここでモデルケースをつくり、成功事例を提携クリニックにインストールしていきます。そして、一緒に取り組んでいる皆さんとともに、不妊治療や生殖医療業界全体をブラッシュアップしていきたいと考えています。


(編集・取材:眞田幸剛、文:林和歌子、撮影:齊木恵太)


選択しているビジネス領域の企業

株式会社Gypsophila

・既存の不妊治療に関わる相談サービスは、相談を通じた不妊治療当事者の一時的な精神的負荷軽減を目的としているケースが大半。然し乍ら、不妊治療に取り組む方が仕事との両立に向けて一番望んでいることは「職場における理解向上」であり、不妊治療と仕事を両立可能な社会を実現するには、企業・社会が不妊治療と仕事の両立に対して課題認識を持ち、具体的なアクションを起こすことが不可欠。本サービスは相談を通じて不妊治療と仕事の両立課題を解像度高く可視化し、企業へレポーティングすることで企業における課題認識醸成を促すことを目指す。・既存の不妊治療に関わる相談サービスは、相談相手に看護師・臨床心理士等の専門家を配置しているケースが大半。当該専門家はヘルスケア観点でのアドバイスには強みを持つ一方、働き方の観点で不妊治療と仕事の両立をどう実現していくかという知見は必ずしも豊富ではないと推察。本サービスでは、実際に不妊治療と仕事(一般企業勤務)の両立に取り組んだ経験を持つ人材を相談相手に配置し、高い共感を持って相談にのることが可能。・既存の不妊治療領域におけるBtoBサービスは、セミナー開催や提携医療機関の料金割引等が大半だが、その費用対効果や社内ニーズを確りと確認しているケースは僅少と推察。弊社は、従業員の悩み相談を通じて課題を洗い出した上で、その課題解決に効果的な打ち手を柔軟に提案・実行支援可能。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 事業提携
  • 資金調達したい
  • スタートアップ
  • テストマーケティング
株式会社Gypsophila

株式会社ウィメンズ漢方

不妊治療専門クリニックのチーム医療として、東洋医学の活用し、治療効果を高めることで、患者様の治療成績や、満足度の向上に貢献して参りました。西洋医学だけでは補うことが難しいケアを、東洋医学が補う、二つの医学の融合による医療の質を高めることを目指しています。多忙を極める西洋医学のドクターの診療の中で、漢方を正確に処方することは難しく、東洋医学の専門薬剤師によるカウンセリングの実施、処方の提案を行うことで、コストをかけずに、クリニック運営が円滑に進むよう活動を行ってます。今後、オンライン診療が推進される中で、クリニックオンライン漢方相談を、拡大させていきたいと思っています。また、不妊治療も分野では、アンチエイジングが非常に重要な要素となりますが、漢方による体質改善を進める中で、ホルモンバランス、ストレス、自律神経の不調が改善することで、美容面でも、効果を感じていただけることが多くあります。このことから、アンチエイジングを通じた、美容分野のカウンセリングも実施しています。

  • 共創プログラム採択実績あり
  • 共同研究
  • 事業提携
  • プロジェクト・イベント型(期間限定)での協業
  • 教育研究機関
  • スタートアップ
株式会社ウィメンズ漢方

太陽堂漢方株式会社

最近では経済産業省も「健康経営」とメディアを通して発表しております。 不調を訴えて出社する社員の1人当たり損失額は年間「73万」とあり、 病気にならない=生産性が上がる、業務効率につながる そこで事前にその環境をご用意できればと考えております。 ・オーダーメイド漢方薬のご提供 →カウンセリングを約60分させていただき、お一人お一人に合わせた症状により 調合比率なども変えオーダーメイドとしてご提供させていただいております。 煎じ薬から粉薬まで幅広く扱っており、既製品ではございません。 ・各専門分野に特化した薬剤師が対応させていただきます。 →基本的にはどのようなお悩みのご相談もお受けしていますが、特に呼吸器疾患、不妊や婦人科系、神経痛、目のお悩み、精神疾患、胃腸の悩みなどを得意分野としております。 漢方薬の販売だけでなく、その後のアフターケアにも注力しております ・煎じ薬 →お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため 「煎じ薬」をお勧めしております。他でも漢方薬を飲んでいたと言われる方が多くいらっしゃいますが、 煎じ薬の効果の違いで皆様に大変満足いただいております。 【症例】 ・生理痛、冷え性(28才 女性) 社会人になって3年、デスクワークや運動不足もあってか「手足やお腹の冷え」「強い生理痛」が気になるように。 『温めて血流を整える漢方薬』を服用して3ヶ月、冷えや生理痛がなくなって身体がポカポカして温かくなっているのを実感、体調維持のために継続しています。 ・うつ病、不眠症、自律神経失調症(33才 男性) 責任のある立場での業務が続き、連日の残業やプレッシャーによって「眠れない」「出社したくない」などが出てくるように。 『自律神経を整える漢方薬』をお渡しして6ヶ月、不眠やストレスから解放されて普段の業務もこなせるようになったとのこと。 ・坐骨神経痛(59才 女性) 数年前から太もも~ふくらはぎに痛みが走るようになり、座っていても徐々に痛くなるように。 『血流を整えて痛みを鎮める漢方薬』を服用して4ヶ月、痛みがほぼなくなって歩いても苦痛ではなくなってきたとのこと。 ・非結核性抗酸菌症(75才 男性) 10年前に定期検診で発覚、病院での有効な治療法がなく様子を見ていたが「咳」「痰」が頻繁に出てくるように。 『菌を除去して免疫を高める漢方薬』を服用して1年、今はほとんど症状がなく病院でも驚かれるほど健康に暮らしているようです。

  • リソース提供(既存技術の提供・特許流用の検討など)
  • 事業提携
  • 中小企業
  • 3カ月以内の提携希望
  • 6カ月以内の提携希望
太陽堂漢方株式会社

ホリスティキュアグループ(株式会社グリーンハート+医療法人淳信会)

私たちは、女性医師らによってミネラルバランスの介入支援から健康課題・社会課題解決に取り組む会社です。未病と治療のトータルクリニックを運営する医療法人淳信会と、栄養バランスチェック・アドバイスを行う「栄養ケアスタンド®」を運営する株式会社グリーンハートによって組織され、ミネラルヘルスによる病気予防、進展予防、未病ケアを中心とした事業を展開しています。女性医師が運営に関わっていることから女性の健康領域における治療・予防の基礎と臨床に関する知見が豊富であることや、分析・アドバイスだけでなく自治体を巻き込んだ地域ヘルスケアサポートやヘルスケア関連商品・サービス開発におけるエビデンス構築ができることを強みとしております。これまでは医療分野で専門性を磨き上げてまいりましたが、より多くの人々の健康に関する悩みを解消するために、私たちのケイパビリティとパートナー企業様の知見・リソースを掛け合わせたヘルスケア事業を共創していきたいと考えております。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 共同研究
  • リソース提供(既存技術の提供・特許流用の検討など)
  • 事業提携
  • プロジェクト・イベント型(期間限定)での協業
  • 地方発ベンチャー
  • 教育研究機関