• 公開:2023年02月05日
  • 更新:2023年02月05日

日本製紙、ユニチカ、大昭和紙工産業など5社が登場!――富士市が取り組むOI事業に参画する企業に、共創の狙いや描く理想の未来像を聞く

大昭和紙工産業株式会社

大昭和紙工産業株式会社
  • 紙・パルプ
  • 包装資材
  • プロダクト(製品)共同開発
  • 共同研究
  • リソース探索(技術・アイディアなどを探したい)

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富士市は「デジタルツールを活用したCNFオープンイノベーション促進事業」を推進している。ものづくりのまちとして発展を遂げてきた富士市は、植物由来で環境にやさしく、同市の基幹産業である紙・パルプ産業とも関連の深い新素材CNFに着目し、2019年3月に「富士市CNF関連産業推進構想」を策定。同年11月には同推進構想に基づき会員制の「富士市CNFプラットフォーム」を設立した。

同プラットフォームは、CNFの実用化に向けた支援をはじめ、用途開発の加速、関連産業の創出・集積を図るための産学金官などの連携・ネットワーク構築などに注力してきた。現在、企業・団体、個人など186の会員(※2022年12月21日 現在)が活動を広げている。

今回、ビジネスマッチングやオープンイノベーションによるCNFの実用化・社会実装をますます加速すべく、デジタルツール(AUBA)を活用し、広くパートナー企業を募集。複数社の応募の中から書類審査を経て、そのホスト企業として富士市CNFプラットフォーム会員の「東洋レヂン株式会社」「大昭和紙工産業株式会社」「ユニチカ株式会社」「日本製紙株式会社」「相川鉄工株式会社」の5社が取り組みを開始した。

・東洋レヂン株式会社 募集ページ https://auba.eiicon.net/projects/35188

・大昭和紙工産業株式会社 募集ページ https://auba.eiicon.net/projects/35190

・ユニチカ株式会社 募集ページ https://auba.eiicon.net/projects/35216

・日本製紙株式会社 募集ページ https://auba.eiicon.net/projects/35200

・相川鉄工株式会社 募集ページ https://auba.eiicon.net/projects/35195

――そこでTOMORUBAでは各社の担当者にインタビューを実施。共創にかける思いや提供できるリソース・アセット、共創パートナー像やこれから活動予定などについて詳しく聞いた。

※関連記事:工業製品から日用品、食品まで、無限の応用可能性を持つ素材「CNF」の利活用――産学官約180の会員を擁する「富士市CNFプラットフォーム」を運営する富士市のオープンイノベーション事業の全貌

【東洋レヂン株式会社】 3Dプリンター向けプラットフォームの構築を実現させたい

――まずは貴社の事業をご紹介ください。

井出氏 : 大きく分けて2つの柱があります。一つは、医療機器・医療部品のプラスチック成形及び着色・混錬。もう一つは医療機器で、ブランド「SOMANIKS」を立ち上げて患者様の痛みの軽減に取り組んでいます。CNFとの関連でいうと、プラスチックで培った混錬技術を応用し、3Dプリンター用のフィラメントを開発しました。


▲東洋レヂン株式会社 井出康太氏

――3Dプリンター用のフィラメントに着目したのはなぜですか。

井出氏 : 今、時代は大量生産・大量消費から、個々のニーズを満たすものづくりに移り変わってきています。そうした中、個々のニーズを形にするものとして3Dプリンターに大きな可能性を感じています。フィラメントの研究・開発に当たっては、富士市から静岡大学の先生の紹介を受け、産学官の連携で進めました。

――では次に、今回のプログラムに参画した背景や、期待していることなどを教えてください。

井出氏 : 3Dプリンターは非常に魅力ある機器ですが、国内ではあまり広まりを見せていないのが現状です。当社では地元の工業高校などと一緒に3Dプリンターのプロジェクトを開始ししようとしていますが、ビジネスでの利用はまだまだといったところです。今回のプログラムに参加することで、より多くの人がもっと身近に3Dプリンターを使用する社会の実現を目指したいと考えています。

――貴社の開発したフィラメントにはどのような特徴がありますか。

井出氏 : 3Dプリンターの一般的な原料はもろかったりニオイがきつかったりします。当社のフィラメントはその点を解決しており、また、想定していた完成品に近いものが作り出せるのが大きな特徴です。


▲東洋レヂンが開発した3Dプリンターフィラメント。

――フィラメント以外に、貴社と共創する上で提供できるリソースについてお聞かせください。

井出氏 : 当社はプラスチックの着色や混錬に強みを持っています。社内には独自の実験機もあり熟練の腕を持つ職人もいますので、「こういう色を持たせたい」「こういう機能を付加したい」などの要望にお応えできます。

――3Dプリンターの普及を目指しているとのことですが、共創ではどのようなことを実現したいとお考えですか。

井出氏 : 素材の提供者や設計者、デザイナーたちが集う3Dプリンターのプラットフォームを作りたいと考えています。プラットフォームを訪れれば、造形依頼などができ自分の作りたいものが作れるとなるのが理想ですね。

――共創パートナーとしてはプラットフォームの構築などに知見のある企業となるでしょうか。

井出氏 : そうですね。まずはプラットフォームをWebで立ち上げ、その後は業種・職種を問わずさまざまな方たちと3Dプリンターを通じて共創を行っていきたいと考えています。当面はBtoBになると想定されますが、やがてBtoCにも着手して、将来的には一家に一台3Dプリンターという社会が実現されれば嬉しいです。

【大昭和紙工産業株式会社】 カラーCNFの新たな用途を探る

――まずは貴社の事業をご紹介ください。

鈴木氏 : 当社は1940年の創業の紙加工品のメーカーです。紙袋や紙加工製品の製造販売などを行っています。肉まんの下敷きや紙コップ、お惣菜などに使われることもあり、意外と身近なところにも当社の製品が使われています。強みの一つが紙への染色です。この技術を応用し、独自のカラーCNF「十二単CNF」を開発しました。


▲大昭和紙工産業株式会社 鈴木遥子氏

――オープンイノベーションに取り組む背景を教えてください。

鈴木氏 : 当社は独自のカラーCNFを開発しましたが、一方で、用途開発が進んでいません。色のついたCNFでどのようなことができるのか。私たちは普段、紙業界の中で活動していますので、どうしてもものの見方が固定されます。その結果、気づけないことや見過ごしていることが多くあるはずです。オープンイノベーションを通じて、業種・職種を問わず多くの方たちの意見をお伺いしたいと思っています。


▲予め染色したパルプを原料とすることで、さまざまなカラーを持ったCNFを開発している。

――現在までに、共創で作り上げた製品などはあるでしょうか。

鈴木氏 : 富士市からの依頼で、ノベルティを手がけました。SDGsの円を模したバッジで、色の部分に当社の技術が用いられています。このほか、具体的な製品化には至っていませんが、CNFのシートも作りました。CNFは水を含んでおり、その水を分離すると紙のようなシートになります。そうした技術を持つ企業と開発を進めました。

――さまざまな企業と出会いたいとのことですが、共創のゴールとしてイメージしていることはあるでしょうか。

鈴木氏 : そうですね。他業界とのつながりが不足しているのが当社の大きな課題ですので、まずはその点を解消し、私たちにはない技術や用途との出会いを果たしたいです。当社が提供できるリソースはカラーCNFですので、色を活かしてどのようなことができるのか、一緒に探っていければ嬉しく思います。また、必要に応じてCNFの分析や解析も行っていく予定です。

――今後のスケジュール感についても教えていただければと思います。

鈴木氏 : できれば1年以内にカラーCNFの用途を開発したいと考えています。現在当社はCNFに非常に力を入れているので、用途の可否も含め、パートナー企業さまと共に突き詰めていきたいですね。仮にうまくいかなくても、用途開発をする過程で新たな知見が得られれば、当社としては一つの成果だと受け止められます。

【ユニチカ株式会社】 環境面にも実用性にも優れたCNFの特性を活かし、製品化を試みる

――まずは貴社の事業をご紹介ください。

中井氏 : 当社は創業130年の歴史を持ち、「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」ことを経営理念として「人々の生活と環境に貢献し、社会的存在感のある企業」を目指しています。事業領域はフィルム・樹脂・バイオマスプラスチックなどの高分子、活性炭繊維・高機能多孔板・ガラスクロスなどの機能材、衣料・生活雑貨・寝装などの繊維の3つで、CNFは高分子事業として手がけています。


▲ユニチカ株式会社 中井美穂氏 

――今回、富士市によるCNFオープンイノベーション促進事業に参画した理由や背景、共創で実現したいことを教えてください。

中井氏 : CNFはバイオマスという点を強調されることが多いですが、樹脂と複合することで多様な機能性を持たせることができる魅力的な素材です。環境面はもちろんのこと、実用面でも大きな力を発揮するでしょう。

そうした面を世の中に伝え、アッと言わせる製品を開発できればと考えています。当社としてもこれまでに学会、展示会、HP、プレスリリース、新聞発表を通じた不特定多数へのコンタクトにトライしてきました。

しかし、なかなか共創や製品化に至っていないのが現状です。CNFに興味を持ってもらっても、製品化への取り組みを始めると目線が揃わないことが少なくありません。そうしたこともあり、今回のプログラムには大きな期待を寄せています。

――貴社が提供できるリソースをご紹介ください。

中井氏 : CNFを配合したナイロン樹脂を開発しました。CNFを当社の重合技術を活かした独自の手法でナイロン6に複合化しました。この方法は化学処理をしないCNFを用いるため、よりサステナブルなことが特徴です。

その上、高剛性かつ軽量でサステナブル、摩擦に強いなどの特性を持つ素材として活用していただけます。軽量でありながらガラス繊維を入れた材料と同じような特性を持たせることが可能です。また、研究所や製造現場との連携を図り、ニーズに応じた素材を提供することもできます。


▲独自の重合プロセスによりCNFを均一に分散させた次世代ナイロン。上画像は、射出成形片の外観。

――どのような企業と共創を進めたいとお考えでしょうか。

中井氏 : 当社は材料メーカーなので、エンドユーザーとの接点がなかなか得られません。このため、エンドユーザーとの接点を多く持つ企業と共創できればと考えています。

具体的には、生活雑貨、アウトドア、自転車、スポーツ関連、精密機器関連、機械部品などを想定しています。また、広く環境に関心のある企業に対して当社の素材は有効性が高いと考えられますので、少しでも興味を持てばぜひお声がけいただければと思っています。

今回のオープンイノベーション促進事業を通じて1件でもパートナーシップを結び、1年目である程度の形にして2年目で改良、3年目には量産までいければ理想的です。

【日本製紙株式会社】 バイオマス素材の社会実装を、共創で成し遂げたい

――まずは貴社の事業をご紹介ください。

矢田氏 : 当社グループは「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」を掲げ、長年にわたり木を育み、紙を造り、暮らしや文化を支える製品を提供してきました。再生可能な森林資源の価値最大化を目指し、木材の優れた特性を引き出した多彩な製品やサービスを提供し続けたいと考えています。

事業としては新聞用紙、印刷用紙、段ボール原紙をはじめ、ティシューなど家庭紙、紙パック、化成品などの製造を行っています。研究所を東京都北区王子、埼玉県東松山市、山口県岩国市、静岡県富士市に構え、それぞれ特徴のある新素材の開発などを行っています。

その中で、富士市の「富士革新素材研究所」は、2017年にCNF研究所として発足し、CNF「セレンピア®」、機能性パルプ「ミネルパ®」などを世に送り出しています。


▲日本製紙株式会社 富士革新素材研究所 矢田実氏

――共創で実現したいことや、CNFオープンイノベーション促進事業の参画の背景を教えてください。

矢田氏 : ご存知のように紙の需要は年々減っており、紙を主事業としていた当社には事業構造の転換が迫られています。紙の新たな使い方を模索すると共に、培ってきた木質バイオマスを応用し、さらに高度な技術でより良いものを作ろうと試みています。その一つがCNF(=セレンピア®)です。

一方で、当社の事業は素材作りがメインで、用途開発に十分な知見があるとは言えません。バイオマス素材を社会実装するためには、製品化を手がける方たちとの共創が欠かせないでしょう。用途開発を得意とする企業とパートナーシップを結び、要望を聞きながらCNFの性能や品質を調整する。そうしたキャッチボールをして製品を開発していければと考えています。

――セレンピア®にはどのような特徴がありますか。

矢田氏 : セルロースの繊維を極限まで細くしました。シングル・ナノのサイズの細さにすることで、CNFが持っている本来の特性を最大限に発揮できます。具体的には、強度が高い、水中で特徴的な粘度を示す、熱による寸法変化が小さいことなどが挙げられます。

――セレンピア®を活用した共創事例はあるでしょうか。

矢田氏 : 富士市さんから市内のお菓子屋さんを紹介していただき、どら焼きを作りました。CNFの特性がどら焼きをよりおいしく変化させることは、大きな発見でした。このほか、他の企業様や研究機関との共創を通じ、CNFを配合すると、プラスチックを強くしたり、タイヤやベルトの燃費性能向上が期待できることもわかってきました。


▲富士市の菓子メーカー・田子の月が発売するどら焼きに、セレンピア®が採用された。

――セレンピア®の他に、どのようなリソースが提供可能でしょうか。

矢田氏 : 当社は木質バイオマスに関わってきましたので、木質バイオマスのハンドリングにはノウハウがあります。培ってきた知見や技術を活用していただけます。

――今後どのような企業と共創したいと考えているでしょうか。

矢田氏 : これまでまったく縁がなかった業界も含め幅広い企業の方とお会いし、魅力あふれるCNFという素材の可能性を共に探っていきたいです。

――いつまでにどのようなことを実現していたいですか。スケジュール感も教えてください。

矢田氏 : 出会う企業によって変わってくると思いますが、テーマ毎にまずは1年で5社前後とパートナーシップを結び、具体的な取り組みを始めるのが理想と考えています。

【相川鉄工株式会社】 CNF製造機器の新たなマーケット開発を目指す

――まずは貴社の事業をご紹介ください。

山村氏 : 当社は古紙リサイクルプラント、抄紙関連機器、機械解繊CNF製造設備などの開発、設計、製作、販売を手がけています。リサイクルに関わる製紙原料調成機器では国内のトップクラスのシェアを持ち、地球温暖化問題対策、紙のリサイクルに貢献しています。

木材パルプ繊維を目的の紙製品に合った特性に調成する機械や、古紙原料に含まれる異物を除去し、精選古紙パルプを製造する工程の機械を製造しており、これらの製紙原料調成用機械をすべてラインナップしている、国内でも稀有な存在です。


▲相川鉄工株式会社 山村延彦氏

――CNFオープンイノベーション促進事業の参画の背景を教えてください。

山村氏 : 紙を使うことが減り、市場が縮小していることが大きく影響しています。現在、当社が長年蓄積したノウハウを活かして新規事業の開発に注力しており、CNFを扱うのはその一環で、2021年にはCNFの製造試験を行う設備を設置しました。当社の技術を活かしながらこれまでの市場はもちろんのこと、新たな市場にも展開したいと考えています。


▲相川鉄工では、CNF製造の解繊工程にリファイナー、除塵工程にスクリーン利用を適用。より効率的なCNF製造を実現すべく研究開発を行っている。

――共創にどんなことを実現したいですか。

山村氏 : 正直なところ、どんな未来があるか、どんなことが実現できそうか、あまり見えていないのが現状です。CNFに大きな可能性を感じている一方で、十分な展開ができていません。用途開発が進んでいない大きな要因の一つとなっているのが製造コストです。費用をどのくらいかけられるのか、そうしたことを知りたいと思っています。

CNFは細かくすると製造コストが上がりますが、それほどの細かさは必要ないというケースもあり、そうなれば製造コストは抑えられます。今回のオープンイノベーション促進事業を通して、多くの企業の方の意見を伺いたいです。

――共創のパートナーのイメージはあるでしょうか。多くの企業と話してみたいということですが、現段階で興味のある業種や職種があれば教えてください。

山村氏 : コスト面については、CNFを扱うことの多い商社さんからお伺いできるかもしれません。ただ、それも現状で想像できる範囲でのことなので、私たちがあまり考えていなかった業種の方にも積極的にアプローチをいただければ嬉しく思います。

――今後のスケジュールとしては、どのようにお考えですか。

山村氏 : 目指す未来が十分に見えない中ではありますが、まずは一社、年内に共創できる企業との出会いを果たし、今後手がけていくことを明確にしたいです。

取材後記

CNFという素材に特化したオープンイノベーションが富士市を舞台に行われている。ホスト企業として参画する各社からはCNFの可能性や新素材にかける強い思いが伝わってきた。バイオマスでありながら多様な機能を持たせられるCNFは、まさに時代に合った素材と言えるのではないか。それぞれが開発した製品には、独自の強みがありこれからの展開に大きな期待が持てる。少しでも興味を持ったら、積極的に応募し、共創で可能性を切り拓いてほしい。

■特集ページはコチラ


https://auba.eiicon.net/topics/140

(編集・取材:眞田幸剛、文:中谷藤士)


選択しているビジネス領域の企業

日本製紙株式会社 研究開発本部

「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」当社は1949年の創業から長年にわたって木を育み、紙を造り、暮らしや文化を支える製品を幅広く提供してきました。2021年5月には「2030ビジョン」として「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として循環型社会の構築を目指す姿を示し、木質資源をベースとしたビジネスモデル「3つの循環」を打ち出しています。再生可能な木質資源を持続可能な形で利用することは、地球環境に優しい循環型社会を構築することにつながり、この「3つの循環」を大きく強固なものとすることにより、社会・環境の持続可能性と企業の成長を共に追求するサステナビリティ経営を推進しております。これからも、未来に向けて再生可能な森林資源の価値最大化を目指し、木材の優れた特性を引き出した多彩な製品やサービスを提供し続けるべく、再生可能な木質バイオマスの高度利用技術の社会実装を現在推進しています。・国内外に保有する植林地や社有林の管理を通じて持続可能な木質資源を調達・紙づくりで培った木質バイオマス(セルロース等)の高度利用技術を保有・バイオマス素材の開発によって、木質資源を通じた炭素の循環を図る

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 共同研究
  • 既存プロダクト改善(生産プロセス・製品性能・システム)
  • 大手企業
  • 上場企業
日本製紙株式会社 研究開発本部

株式会社カミーノ

弊社では、2015年の創業以来、古紙のアップサイクルに取り組み、広島の折り鶴再生紙から作られるデザイン扇(「FANO」)や、2018年からは古紙と植物由来・生分解性樹脂のポリ乳酸(PLA)を複合させた、従来の石油由来プラスチックに替わるバイオマスプラスチック素材(「PAPLUS®」)の開発に取り組んできました。 2050年までに脱炭素社会を実現する事は、世界の公約となり、多様な産業分野でこれまでになかった技術開発や化石資源使用の削減、法規制化が整備されて行くと思われます。また、2050年までに海洋プラスチックごみゼロ化する国際公約(大阪ブルー・オーシャン・ビジョン。G20大阪サミット・首脳宣言)があり、その双方に効果があるポリ乳酸製品は、国内のみならず海外でも需要が急増しています。また、弊社の新素材PAPLUSは、従来、焼却処分されていた紙廃棄物を製品としてアップサイクルすることで、CO2の排出量を一時的に削減することができるという側面も持ち合わせています。このように事業環境としては、1~5年先の成長は手堅いものが感じられ、その要求に応えられるポリ乳酸製品を製造供給する事業が望まれています。 その一方で、弊社製品のようなバイオマスプラスチック素材は、高品質ではあるものの、価格が高いため、メーカー等の幅広いユーザーへの普及が進んでいないのが現状ですが、本事業では、バイオマス度を可能な限り高く保ちつつ、耐熱性、耐久性等の機能に優れ、競争力のある価格帯での製品開発を進めています。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • リソース提供(既存技術の提供・特許流用の検討など)
  • 資金調達したい
  • プロジェクト・イベント型(期間限定)での協業
  • スタートアップ
株式会社カミーノ

日本バイオリファイナリー株式会社

当社は東京電機大学発のベンチャー会社です。同大から特許専用実施権を取得して、企業や自治体へ提案・事業化に向けてのコンサル、サポート、OEM供給を展開していくのが狙いです。当社の特徴としては、国内各地にみられる竹のバイオマス利用の特化しているところです。竹の一生は100~120年と言われており、長生きなイネ科の植物です。根元からきれいに抜かない限り、竹を伐採しても、また生えていくるのが特徴です。竹は4~6年で成長します。これはスギやヒノキなどの成長に比べ、10倍ほど早いスピードになり、また上記でも述べておりますが、伐採しても何度も生えてきますので、成長サイクルとしては非常に早いということになります。竹は成長スピードの速さから、他の樹木と違い、光合成が活発で、地球温暖化の要因と言われるCO2を多く吸収します。しかしながら、成長期を過ぎると光合成が減少し、更に年月が過ぎると光合成をしなくなるどころか、酸素吸収をすると言われております。また長い期間放置してしまうと、土壌の脆弱性による土砂崩れを誘引したり、他樹木(スギやヒノキ、自然林等)と混在すると他樹木が枯死してしまうという「竹害」が深刻化してしまうという問題も抱えております。当社は、成長期が終わるころの6年目の竹を計画的に伐採してCO2の吸収力を維持・拡大しつつ、伐採した竹に加工を加え、竹に含まれる成分を抽出・発酵等をしたものをバイオマス利用することで、石化資源に頼らない、環境にも人にも提案を目指しております。例えば、抗酸化・保湿性のある化粧品原料、汚泥土壌(VOC)の改良剤、整腸作用の食品原料等、様々な用途として活用できます。東京電機大学では基礎研究として竹に関する開発研究を進めてきました。当社はそれを更に発展させるべく、企業や自治体の事業化・製品化に向け、企業や自治体の方に寄り添う形でサポートしていきたいと考えております。

  • スタートアップ
日本バイオリファイナリー株式会社

東洋レヂン株式会社

当社のページにお越し頂きありがとうございます。東洋レヂン株式会社は昭和42年に創業した医療機器・医療部品のプラスチック成形及び着色・混錬を行っているメーカーです。また微細な成形技術を活かして「SOMANIKS」という医療機器ブランドを立ち上げ、【皮膚の声を聞く】というコンセプトを掲げ、患者様の痛みの軽減にも取り組んでおります。プラスチックの環境問題が騒がれる昨今、プラスチックに関わる会社として「何か出来る事はないのだろうか」と常日頃から考えておりました。そんな中、当社の所在地である静岡県富士市は製紙業が盛んな街であることから、行政が中心となり、その紙づくりのノウハウを活かすことで、環境負荷の少ない新素材、CNF(セルロースナノファイバー)を活かした製品開発の取り組みを開始しました。この活動に賛同し、プラスチックにCNFを混錬させる実験を開始。半世紀を超える混錬実績を活かし、数年かけて確立することが出来ました。更にこの新素材をモノづくりに活かすため、使うだけで廃プラを叶える、環境に負荷の少ない3Dプリンター用フィラメントを静岡県との共同特許(出願中)で作成することに成功いたしました。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 共同研究
  • リソース探索(技術・アイディアなどを探したい)
  • 事業提携
  • 新市場の模索
  • 中小企業
東洋レヂン株式会社

ユニチカ株式会社 中央研究所

弊社は60年以上にわたり、ナイロン6を重合し、樹脂・フィルム・繊維に加工し最終製品へ展開する、機能素材メーカーです。 ※ナイロン6とは衣料用の合成繊維として知られる素材ですが、現在では電子、電気部品をはじめ、自動車部品、産業資材、建材、生活周辺用途にいたるまで様々な用途で展開しています。私たちの暮らしの中でもなじみの深いエンジニアリングプラスチックスです。 私たちが研究・開発する「素材」は、最終製品にカタチを変えると直接的に目に触れにくい側面がありますが、衣料、生活雑貨をはじめとした毎日の暮らしに根付く最終製品として多くの人々に触れていただくため、安全・安心な素材製品を提供することを大切に、「技術×発想力」を強みとした研究開発を進めています。 また、高分子事業、機能資材事業、繊維事業と、幅広く素材の研究・開発を行っておりますがとくに様々な環境負荷軽減に寄与するために開発した「CNF(セルロースナノファイバー)含有ナイロン6樹脂」を活用した共創に繋がるパートナー企業様と広くお会いしディスカッションできればと思っております。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 既存プロダクト改善(生産プロセス・製品性能・システム)
  • 新市場の模索
  • 上場企業
  • 3カ月以内の提携希望
ユニチカ株式会社 中央研究所

BANSEI INSIDE 合同会社

【万生xヘルスケアで今までにない健康社会を】これからの健康は「老化を遅らせる(抗老化)・いつも調子がいい自分で・機能が落ちないように日々予防」2019年2月に設立した万生マーケティングジャパンは30年以上にわたり開発研究を進め、開発者と研究者の弛まない努力で誕生した「万生」を世の中のすべての人に紹介する役割を担います。現在、住まいなど人が集う空間での採用が12,000施設以上、原材料としての採用が660アイテム以上となり植物と共に生きる・身体還元・空気の大切さ、化成品との融合など「万生」の特徴を理解し、評価頂く企業が増え共同開発製品が続々と誕生しております。当社は万生の正確な情報と健康増進に取り組む中で見落としている「身体の酸化」の意識向上に取り組み、ヘルスケアで地域問題・社会問題への提言を致します。【万生x共創により人々に自然回帰を提案します】私たちの生活に欠かせなくなった化成品(ケミカル製品)。豊かに便利、快適で楽にとなることで生活環境も良くなった事も多くあります。一方で、身体に不調を訴える方がいる事も事実です。くらしやすまいにある化学物質をしっかり受け止め「便利と不便」を万生で繋ぎ、今までと変わらない豊かさと便利さに「健康的に活用する」「ケミカルとの融合融和」を提案して参ります。 万生は植物機能性素材(原料)として様々な製品に配合・含浸(加える)することが可能です。既存製品、既存技術だけでなく新たしい技術やアイデアに万生を加えることで今までにない製品やサービスを創造し、新しい価値の社会へと繋いでいきます。

  • プロダクト(製品)共同開発
  • 共同研究
  • 事業提携
  • 中小企業
  • 3カ月以内の提携希望
  • 6カ月以内の提携希望
  • スタートアップ
  • テストマーケティング
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